2011年01月07日

読売新聞に掲載されました。

本日2011年1月7日の読売新聞滋賀版に古民家鑑定士の記事が掲載されました。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20110106-OYT8T01134.htm

以下記事の内容です。

先人の遺産古民家守る
鑑定で継承後押し 所有者に活用法提案


「立派なええ木、使ってるやろ」。西堀さん(右)らに、古民家の良さを説明する長阪さん(右から2人目、東近江市大塚町の旧大塚公民館で) 「こんなええもん、捨てたらあかん」。大津市追分町の築100年を超す民家。長阪静さん(58)が、梁(はり)や柱、欄間、襖(ふすま)などを指さすと、所有者の70歳代の女性は「値打ち、わかってくれますか」と深くうなずいた。

 長阪さんは、材質や築年数など計約460の基準から古民家の価値を判断し、「評価額」を算出する「古民家鑑定士」。県古民家再生協会理事長でもある。

 女性の家は元米穀店。今は空き家だが、「値打ちを知りたい」と長阪さんに鑑定を依頼した。結果は「220万円」だった。

     ◇

 古民家鑑定士は財団法人「職業技能振興会」(東京)

が認定する資格で、昨年末現在、保有者は全国に2076人、県内には60人いる。評価額を示し、〈1〉復元工事〈2〉移築〈3〉建て替え〈4〉売却〈5〉解体――などを提案する。

 長阪さんは大手ゼネコンでエンジニアとして28年間働いた後、2001年に独立し、草津市に工務店を構えた。だが、世代を越えて住み続けることを前提としない「消費型の建築」に、疑問を感じるようになった。

 昨年2月、テレビで「古民家鑑定士」ついて知り、「やりたいことはこれだ」と身震いした。当時、県内では受験できなかったため、3月に岐阜県で講習・試験を受けて資格を取得。4月に協会を設立した。

 活動の原点だと感じる体験がある。小学6年まで暮らした山梨県南部町の茅葺(かやぶ)きの家は、建て替えの際、父が大黒柱や梁を再利用していた。「貧乏くさくていやだったけれど、今はオヤジの気持ちがよくわかる」。物を大切にし、「ここが自分の家だ」と感じる場所を残そうとしていたのだ、と。

     ◇

 総務省によると、1950年以前に建てられた県内の古民家(2009年12月現在)は、約2万4300戸。近江商人が栄えた湖東地域には、良質の木材をふんだんに使った豪奢(ごうしゃ)な民家が多い。湖北には、積雪から屋根を守る棒が周囲に立ち並んだ家が残る。長阪さんは「琵琶湖を中心に歴史や気候が地域ごとに異なるから、古民家の特徴も様々でおもしろい」と話す。

 ただ、戸数は03年の2万9100戸から減少しており、浜崎一志・県立大人間文化学部教授(建築史)は「古民家が消えると、日本の景観がまた一つ失われる」と危機感を募らせる。

 浜崎教授は、家屋の保存などに取り組む「湖北古民家再生ネットワーク」とともに、古民家を売買・賃貸物件として紹介したり、宿泊体験の催しを開いたりしている。「古民家の所有者は大半が高齢者で、活用法を独力で探すのは難しい。長阪さんの存在は、そんな人たちにとって大きな助けになる」とみる。

     ◇

 鑑定を受け、解体を踏みとどまるケースもある。東近江市大塚町の旧大塚公民館は、築約100年の庄屋屋敷を昭和30年代後半に移築した建物。新しい公民館が約10年前にできて以来、利用されていない。

 解体してはという声が上がる中、長阪さんに鑑定を頼んだ。約270万円の評価を受け、移築や、解体して建材を売る方法が提案され、検討することにした。西堀秀夫自治会長(62)は「うれしかった。たとえ解体しても、建材がどこかで使われれば、先人たちの思いにも応えられる」と喜ぶ。

     ◇

 長阪さんの目標は、古民家や古材の流通市場を作り、伝統工法や伝統資材を継承すること。将来は、東海道五十三次に沿って古民家を利用した宿泊施設を作り、各地の活性化につなげたいと考える。

 「ロマン、感じるやろ?」。茅葺きの家での少年時代の経験が、今なお夢を広げている。(西井遼)

(2011年1月7日 読売新聞)

古民家再生協会(滋賀)
077-514-8866
古民家再生協会(滋賀湖北)


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この記事へのコメント
こんにちは、この間はありがとうございました。
久しぶりのUPですね。
またお話出来る事、今度はアルコール入りで(笑)お願いします。
Posted by anna at 2011年01月09日 15:34
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